2020しまね×専攻医
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28時手術に対して、指導医の指導の元、安全に周術期管理を行うことができる。島根県立中央病院 麻酔科専門研修プログラム■ プログラムの特徴 本プログラムの特徴は、麻酔全身管理、集中医療、救急医療、ペインクリニック、 緩和医療、地域医療などの領域を通して、広く多面的に麻酔科学の基本である全身管理の専門的知識、技能を習得できること、それを支える研修施設群を構築していることにある。さらにこの特徴は、サブスペシャルティ領域専門研修との連携をより充実 したものとしている。希望に応じて各サブスペシャルティ分野の専門医や常勤医の指導の下で集中治療、ペインクリニック、緩和ケア、救急領域の研修を選択できる。また, 基幹研修施設、関連研修施設においてもサブスペシャルティ領域を学ぶことができる。本研修プログラムでは、希望に合わせて地域医療に特化した施設での研修も可能であり、研修終了後は、地域医療の担い手として県内の希望する施設で就業することも可能となる。専攻医へのメッセージ 麻酔科医は、手術のために麻酔をするだけでなく、患者が無事に手術を終えて順調に回復できるよう、手術前から手術中、手術後まで(周術期)患者のコンディションを見守っていく“患者安全のエキスパート”ともいうべき存在です。 さらに近年は、集中治療や救命医療、緩和医療、ペインクリニックといったさまざまな領域で麻酔科医の知識、技能が求められるようになり、ますます活躍の幅を広げており、麻酔科専門医は、国民にとって重要な役割を果たしています。麻酔科医は、入院してきた患者が無事に手術を終え、順調に回復していくまでを管理する、周術期の患者の命を守るという役割があります。そうした医療現場での管理技術やコーディネーション能力に加え、手術に用いる人工心肺など医療機器についても修得することが可能です。研修期間中、麻酔については、小児の麻酔、帝王切開術の麻酔、心臓血管手術の麻酔、胸部外科手術の麻酔、脳神経外科手術の麻酔といった症例を必須としておりますので研修後より専門的に極めることも可能です。また、それらの知識を応用し、集中治療、救急医療、緩和医療、ペインクリニックの研修も選択できます。その他、生理学、薬理学、生化学といった分野から基礎研究に取り組むにも、麻酔科の専門知識は非常に活きてきます。■ モデルプログラム専門研修1年目 手術麻酔に必要な基本的な手技と専門知識を修得し、ASA1〜2度の患者の通常の定専門研修2年目 1年目で修得した技能・知識をさらに発展させ、全身状態の悪いASA3度の患者の周術期管理やASA1〜2度の緊急手術の周術期管理を、指導医の指導のもと安全に行うことができる。専門研修3年目 心臓外科手術、胸部外科手術、脳神経外科手術、帝王切開手術、小児手術などを経験し、さまざまな特殊症例の周術期管理を指導医のもと安全に行うことができる。また,ペインクリニック、集中治療、救急医療など関連領域の臨床に携わり、知識・技能を修得する。専門研修4年目 3年目の経験をさらに発展させ、さまざまな症例の周術期管理を安全に行うことができる。基本的にトラブルのない症例は一人で周術期管理ができるが、難易度の高い症例、緊急時などは適切に上級医をコールして、患者の安全を守ることができる。島根県立中央病院 救命救急診療部長/越崎 雅行PROGRAM

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